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『行列の女神~らーめん才遊記~』第3杯目ネタバレあらすじと感想!客は情報を食べている?

 

行列の女神~らーめん才遊記~』第3杯目は

ゆとりの母・よう子やライバル・倫子が登場し、

盛りだくさんの内容になっています。

 

今回は、『行列の女神~らーめん才遊記~』第3杯目

ネタバレあらすじと感想!客は情報を食べている?

についてお話していきます。

 

 

『行列の女神~らーめん才遊記~』第3杯目ネタバレあらすじ

 

汐見、初めてのコンサルティング

清流企画に来た依頼を勝手に受けてしまう汐見。

 

河上に「勝手に仕事を受けるな」と注意されるが、

汐見は全く意に介さない。

 

白坂と須田は自分の案件で手がいっぱい、

芹沢と夏川は月替わりラーメンの試作で

厨房に入っている。

 

仕事をする気満々の汐見に、

芹沢は「いいんじゃない、そんなに行きたいなら」と

あっさり許可。

 

「その代わり、うちの看板背負っていくなら、

失敗は許されないわよ」

 

「もちろんです!!じゃ、行ってきます!」

 

飛び出していく汐見を呆然と見送る河上。

 

「知りませんよ私は…」

 

「何かトラブルがあったらよろしく河上さん。夏川、仕込み!」

 

「はい!」

 

頭を抱える河上をよそに、

芹沢と夏川は厨房にはいっていった。

 

 

つけ麺あんざいの悩み

 

「おいしいです!ぷるぷるでこってりして、

ガツンてくる!よくできた濃厚とんこつ魚介系つけ麺ですよ!」

 

「まあ自分でもね、味はね~悪くないと思ってるんですけどね、

なにせオープン以来、このありさまで…」

 

「う~ん…でも、不思議ですね。

繁華街のすぐそばで、立地は悪くないはずなのに」

 

「いやいや、理由は、はっきりしてるっちゃ、

はっきりしてるんですけどね…」

 

そこへ、つけ麺あんざい店主・安西徳之(窪塚俊介)の

妻である絵里(林田岬優)が帰ってくる。

 

徳之が清流企画に連絡すると同時に、

絵里も別のフードコンサルティング会社に

連絡していたようだ。

 

行き違いがあったことで徳之と絵里が

言い争いを始めてしまった。

 

味惑コーポレーションの難波倫子(松井玲奈)は、

表面上はにこやかだが、汐見を誘い出すとこう凄んだ。

 

「消えろ」

 

「え?」

 

「さっさと消え失せろ言うとんねん、

このボケエェ。痛い目みんとわからんのんか?」

 

汐見の母・橋爪ようこ襲来

 

らぁめん清流房には開店前から行列ができていた。

 

しかし、最前にいた団体客は

みな同じようなリクルートスーツにひっつめがみ、

同じような所作でカウンターに座った。

 

月替わりの鶏だし白湯らあめん7人分が並ぶが、

誰も口にしようとしない。

 

そこへハイブランドのワンピースに身を包んだ女性が現れ、

7人のうちの1人と席を交代した。

 

その女性こそ汐見の母親で

橋爪クッキングスクール総帥・橋爪ようこである。

 

ようこの「実食」の声と同時に

ラーメンを口にするクッキングスクールの講師陣。

 

「順番に。まずは、麺」

 

「北海道産小麦、品種ははるゆたか」

 

「かんすいは内モンゴル産」

 

「加水率37%、麺の切り刃は26番」

 

次々と原材料を言い当てていく講師陣に圧倒され、

信じられないという表情の夏川。

 

「ウソ…」

 

「よろしい、次。スープ」

 

「ベースは丸鶏と豚の背ガラ」

 

「加えたのは玉ねぎ、にんじん、白菜、

ねぎ、しょうが、にんにく、りんご、

大根、トマト、マイタケ、計10種類」

 

「隠し味に白みそ」

 

講師陣の指摘にようこが付け足す。

 

「もうひとつ。ほんの数滴マスタードオイルも

加えてあるわ。どう?」

 

「…正解です」

 

「達美ちゃんが作るラーメンだけあって

さすがのお味ねえ。

でも、かつての勢いがないんじゃないかしら?」

 

「はい?」

 

「昔はもっとこう…、荒々しくて尖ってたのに。

こぎれいにまとめちゃって、

やっぱり、年なのかしらねえ?」

 

「…言いたいことはそれだけですか?」

 

「あらぁ、もっとダメ出ししてほしいの?」

 

「食べないんでしたら、営業妨害はやめて、

さっさと出て行ってくださいますぅ?」

 

余裕の笑顔を崩さないようこと、

笑顔がひきつり怒りを隠せない芹沢。

 

二人の因縁はただ事ではなさそうだ。

 

つけ麺あんざいから帰社したゆとりが目にしたのは、

二人そろった両親の顔だった。

 

芹沢・河上・汐見・ようこ・亮二(汐見の父)がそろい、

謎の五者面談が始まった。

 

「娘が就職先でご迷惑をかけていないか

心配で様子を見に来た」というようこに、

社長のデスクに腰かけながら

あらぬ方向を見て芹沢は言い放った。

 

「ご心配通り迷惑かけられっぱなしです。

ほんと、どういう育て方をしたらああいう子に育つのか、

親の顔が見てみたいと思っていましたから」

 

「あっははははは、あ~ら、

じっくり見てくださってかまいませんわよ、

気のすむまで♡」

 

「気はすみませんけど、直視するのは耐えられません。

お嬢さん以上に迷惑な方ですから?

 

このあたりがムカムカしてきちゃって!」

 

「あらぁ、胸やけかしらね?ラーメンの食べすぎ?

ラーメンて味が濃くて脂っこくて、

不健康ではしたなくてB級グルメで、その上不健康だから」

 

「不健康二回言いましたよ」

 

「知ってる。わざと♡」

 

白坂と須田と夏川は遠巻きにしながら、

芹沢とようこの殴り合いのような会話にひやひやしている。

 

「あんなにおいしいものを食べさせなかったなんて虐待だ、毒親だ!

私の母親はお母さんじゃなくてラーメンだ」と、

素っ頓狂なことを言いだす汐見に「あなたの気持ちはわかった」と

殊勝なことを言うようこ。

 

「小さい達美ちゃんの会社で働くのもいいかも」

「素人相手の料理教室の跡継ぎも務まらないようなポンコツはいらない」と

汐見を押し付けあう二人に、

「私のために争わないで」と、汐見の介入はかみ合わない。

 

「そういえば汐見、あなた、しれっと帰ってきてるけど、依頼は?」

 

「そういえば帰りが早かったですね」

 

「それは…」

 

芹沢と河上に問いただされ、口ごもる汐見。

 

「失敗した?手に負えなかった?

それで逃げ帰ってきたのね?橋爪先生これ、

そちらにしっかり返品します!」

 

「いやちょっと、違います!聞いてください!」

 

難波にすごまれ、戸惑う汐見だが

、当初徳之は清流企画に依頼する方向で決めかけていた。

 

しかし、ノープランの汐見に比べ

難波はしっかり周辺のリサーチをし、

コンサルティングプランの提示を済ませており、

「同業者の評判や名前だけで清流企画に任せていいのか?」と

畳みかけられると

「もう一度夫婦で相談する」と考え直してしまったのだ。

 

「なるほどねえ~。じゃあクビ」

 

「えっ、なんでですか!?私、失敗してないですよ!」

 

「私の名前出しても仕事とって来れなかったってことは、

よっぽどあなたが頼りなく見えたってことでしょう!」

 

「いや、違いますよ!相手の押しが強かったのと、

思ったほど社長の名前に威力がなかったのがいけなかったんです!」

 

「なんですってぇ?」

 

「アッハハハハハハ、醜い争いだこと!

じゃ、私はこれで失礼しますね」

 

高笑いしながら帰っていくようこ。

 

社内の険悪な雰囲気は最高潮に。

 

相手の味惑コーポレーションは、

もともと「新世紀ダイニング味惑」という

創作料理居酒屋の母体となっている店だった。

 

居酒屋が繁盛し多店舗展開、

最近になって飲食店のプロデュースや

コンサルティングに進出している。

 

ラーメン屋のコンサルティングまで始めるとなると、

清流企画の商売敵にもなる。

 

ここで押し負けたら清流企画の名に傷がつく。

 

「黙って取らせるわけないでしょう、

この私が。汐見、ついてきなさい」

 

「社長、どちらへ…」

 

「売られたケンカを買いに行くのよ」

 

「いやっ、でも、もしかしたら、

あっちじゃなくてこっちに依頼がくる可能性もありますし」

 

「それじゃあつまんないでしょう?

ケンカの火種がくすぶってんなら、

薪くべてガソリンかけて、

ついでに火薬も投入しないと!さぁ、行くわよ!」

 

ピンチにもかかわらず、

いかにも楽しそうに微笑むパワフルな芹沢に、

慌てて芹沢についていく汐見。

 

味惑コーポレーションとコンサルティングコンペ

味惑コーポレーションの事務所に赴き、

コンペを提案した芹沢。

 

コンペを自信満々に承諾し、

闘争心をむき出しにする難波と、

挑発にあてられっぱなしの汐見。

 

清流企画と味惑コーポレーションの看板を掛けて、

つけ麺あんざいの立て直しをコンサルティングすることになった。

 

つけ麺あんざいの周囲200m以内につけ麺の専門店が10件、

その中にはつけ麺業界でトップに君臨する2大有名店、

「つけ麺 金獅子亭」と「つけ麺 グルテンハウス」が存在する。

 

つけ麺激戦区に新規参入し、力試しをしたかったという店主・徳之。

 

開店以来ガラガラの店を生き返らせるには、

どんな策が有効なのだろうか?

 

 

芹沢とようこの因縁


芹沢がまだ20代のころ、

テレビ関東のテレビチャレンジャーという人気企画で、

芹沢とようこは料理対決をしたことがあった。

 

「なでしこ料理人選手権」と題された勝負で、

ラーメンVSヘルシー料理という内容だった。

 

当時芹沢はラーメン界の風雲児、

ようこはヘルシー料理の第一人者として

売り出していた時期。

 

勝負は、審査員5人全員が芹沢を選ぶ圧勝。

 

「さすが社長!」と溜飲を下げる夏川たちだが、

河上の表情は複雑だ。

 

「橋爪先生はラーメンに否定的だったが、

芹沢社長は料理人としての橋爪先生を

否定しているわけではない」という言葉の真意は、

芹沢の帰社によって遮られて聞くことができなかった。

 

汐見のコンサルティングプラン

金獅子亭でつけ麺の味をリサーチする汐見。

 

「すごい!ドロドロでガツンガツン!」

 

「この金獅子亭は豚骨の使用量が半端じゃないっからねえ…」

 

「有栖さん!」

 

「煮込んだ豚骨を砕いて、

また新たな豚骨を加えて煮込んだらまた砕いてを繰り返して、

このポタージュのような濃度のスープを作り上げているんだよ」

 

「…うん!」

 

ラーメン評論家の有栖の解説を聞きながら新たに一口、

たまらない味わいに舌鼓を打つ。

 

続けてグルテンハウスにも赴いた。

 

「んーー!もっちもちでプルプル!

麺が口の中で暴れてるみたい!」

 

「すんごい噛み応えでしょ?

グルテンハウスの売りは、この麺なんだよ!

讃岐うどんにも使われている小麦粉、

オーストラリアンスタンダードホワイトを混ぜることで、

この弾力を生み出しているんだよ」

 

「有栖さん、さっき別のお店に行ったはずじゃあ…」

 

「僕は、美味しいラーメンとつけ麺の店には

時空を超えて食べに来ることができるんだよ」

 

「ふふっ…ふふふふふ…、…こわい」

 

リサーチによって味のアイディアがあふれ出した汐見は、

清流企画の厨房で新メニューの試作を繰り返していた。

 

芹沢に「コンサルの方針を簡潔に説明してみて」と言われ、

「激戦区でつけ麺あんざいを一番おいしいつけ麺にすることです!」と

迷いなく断言する汐見。

 

「ラーメンにとって一番大事なのはあのわくわくなんですよ!」と

浮かれ気味の汐見に、

「やっぱりあなたはそういうタイプなのね」と厨房を出ていく芹沢。

 

結局コンサルのその日まで、

芹沢が汐見のラーメンを口にすることはなかった。

 

一方、つけ麺あんざいの近隣で

現地調査をしている難波に声をかける芹沢。

 

「現地調査は順調?あなたに一つ、提案があるの」

 

芹沢の考えを、汐見はまだ知らない。

 

代わりに、思惑を知る河上が汐見を呼び出した。

 

「飲食店はおいしいに越したことはない。そ

れは私もそう思いますし、みんなそうでしょう。

では、おいしいというのは、なんなんでしょうかね?」

 

「え?味がいいってことじゃないんですか?」

 

「でも、辛いものが好きな人もいればそうでない人もいる。

あっさり好きな人と、脂っこいものが好きな人とでは、趣向も違う」

 

「それは、そうですけど…」

 

「そうなると、万人受けする味と言うのは、

尖りすぎてないことが大事だったりするわけです」

 

「はぁ…」

 

河上の言うことに、

いまいち納得しきれない様子の汐見。

 

かまわず河上は続ける。

 

「芹沢社長とあなたのお母さん、

橋爪先生の過去について、聞いていますか」

 

「ええ、社長から。昔、テレビ番組の料理対決で、

ギタンギタンにしたって」

 

「そうですね。しかしそれは、

テレビ番組の企画での勝敗でしかありません。

料理人として勝敗を決したわけでもなければ、

ラーメン対ヘルシー料理でラーメンが

勝利したということでもないんです」

 

「…はあ」

 

「私は、試食は結構。しかし、忘れないでください。

あなたの仕事は料理人ではなく、フードコンサルタントなんです」

 

勝負の結末を前にコンサルタントとしての

心構えを伝えられた汐見だが、

その言葉の本当の意味を理解するのはまだ先のことだった。

 

 

とっておきのつけ麺

いよいよコンペ当日となり、

つけ麺あんざいに集まった面々。

 

コンペの勝敗は安西夫婦に決めてもらい、

中立的な立場のオブザーバーとして

有栖がコンペに立ち会うことになった。

 

難波が提案したのはとんこつラーメンだ。

 

「うん、典型的な博多風とんこつですね。

スープも麺も高い水準で、実に手堅いおいしさに仕上がっている」

 

難波のコンサルティングプランは、

つけ麺店からとんこつラーメン店に

商売替えすることだった。

 

つけ麺激戦区でとんこつラーメンの専門店を出せば

ニッチを獲得でき、立地を活用できるというものだ。

 

有栖と芹沢は難波のコンサルティングを

「的確」「斬新」と高く評価する一方、

汐見は勝ち誇った笑みでこう言った。

 

「こんなの面白くもなんともないコンサルティングですよ!

これだったら私の新メニューで楽勝です、楽勝っ!」

 

喜色満面に挑発する汐見に、メンチを切る難波。

 

それもそのはず、自信たっぷりの汐見の考案した新メニューは、

見た目からは味を想像できない、かつてない発想で作られていた。

 

「濃厚とんこつに激辛スープをベースにし、

そこに砂肝やセンマイなど、モツ類がいろいろと入っていますね」

 

「モツかあ…じゃあ、このレバーみたいなのは?」

 

「つるつるぷるぷるした、独特の触感よね!」

 

的確に評論する有栖、感心しきりの安西夫妻。

 

「それはですねえ…」

 

「血豆腐。血液を豆腐で固めたものね」

 

もったいぶる汐見に先回りして芹沢が答える。

 

「さっすが社長!」

 

「私を誰だと思ってるの?…

でも、まさかこんなものをつけ麺の具にするなんてねえ」

 

「僕ら、初めて聞きましたよ」

 

「中国料理では、割とメジャーな食材です。

新鮮な動物の血に火を入れて固めたもので、

鍋類や麺類の具に使うんです」

 

食通の芹沢と有栖がよどみなく

「血を使った料理」についての知識を披露していく。

 

「ええ!今回はカモの血で作ってみました!」

 

「世界的に見れば、珍しくありません。

ヨーロッパでは、血を凝固させたブラッドソーセージ。

韓国では、腸詰スンデ、フィリピンの煮込み料理ディヌグアン、

タイの麺料理カノムチン・ナムギョウなども豚の血を使った料理です」

 

「そういえば日本でも、すっぽんの生き血を飲みますしね」

 

味惑コーポレーション社長の福花康男(夙川アトム)が付け加える。

 

「はい、なのでこのつけつゆも、

四川料理の毛血旺(もうけつおう)を

ベースに考案してみました!」

 

「毛血旺?血豆腐とモツを煮込んだ四川の激辛スープか!」

 

「さらにつけつゆの強烈な味とのバランスをとるために、

麺に春雨を混ぜたわけね?」

 

「なるほど、春雨は芋でんぷんでできているから、

普通の面よりもモチモチしている。

その触感の違いも楽しめる、こういうわけだ」

 

「ええ、たしかにこれは、

金獅子亭やグルテンハウスにも引けを取らない味ですよ」

 

「私のコンサルティングプランは、

このつけ麺をお店の看板メニューにして、

つけ麺あんざいをこの地域で一番の

つけ麺屋さんにすることですっ!以上!」

 

全員から高い味の評価を得、ご満悦の汐見。

 

その顔は勝利を確信していた。

 

しかし、難波と汐見のプランを比べた末、

店主・徳之が選んだのは、

難波のコンサルティングプランだった。

 

味とインパクトは圧倒的に汐見のラーメンが上だったが、

難波の提案の方が現実的である、という判断だ。

 

つけ麺激戦区に出店し、歯が立たなかった現実を受け止めた徳之は、

生活のためにとんこつラーメン専門店への転向を選んだ。

 

「自分には、このラーメンは作れない。

汐見さんのような才能があれば別ですが…」といわれ、

汐見は何も言えなくなってしまった。

 

そこへ、河上に連れられて北区で

とんこつラーメン店を経営する久保という男が現れた。

 

難波が作ったとんこつラーメンのレシピを考えたのは、

この久保だったのだ。

 

とんこつラーメン激戦区の久保と、

つけ麺ラーメン激戦区の徳之がレシピ交換をすることで、

激戦区という立地を強みに帰るという

新たなコンサルティングプランが提示された。

 

考えたのはもちろん芹沢である。

 

難波が商売替えを勧めることを見抜き、

清流企画に来た久保の依頼を掛け合わせて

一気に問題を解決してみせる見事なコンサルティングだった。

 

芹沢ははじめからこの展開を見越しており、

汐見は芹沢の手のひらで踊っていたにすぎなかったのだ。

 

「今回のことは、引き分けということで手を打ちましょう。

河上さん、後の細かい契約よろしく。では、失礼します」

 

おいしいけど悔しい

清流企画への帰り道、

坂道を登りながら汐見が芹沢に食い下がる

 

「社長!…納得できません」

 

「なにが?」

 

「社長は最初から私が負けると

決めつけていたってことですよね?

だから新メニューのことも何も聞かなかったし、

レシピ交換のお店だって事前に用意して…」

 

「正解、よくできました」

 

「どうしてですか?

なんで私のメニューを

食べもしないうちからそんなこと…」

 

勝負がついた後もぐちぐちとぼやく汐見に

、芹沢が現実を突きつける。

 

「そろそろ理解しなさい。

料理がおいしいだけじゃ、

店は成功しないのよ。

あなたのつけ麺はたしかにおいしかった。

でもね、ほとんどの客は複数の店を食べ比べて

おいしい方を選んでるわけじゃないの。

料理対決なんて、マンガやテレビ番組の世界の話。

客のほとんどは保守的で、知名度とか誰かの推薦を頼りに店を選んで、

そこで食べた味に満足して帰っていく。

つまり彼らは、情報を食べているのよ」

 

「情報…?」

 

「そう、情報よ。納得した?」

 

「どんな店だって最初の条件は同じじゃないですか!

つけ麺あんざいが毛血旺つけ麺で大人気になった可能性だってあったのに!」

 

「なったかもしれない。でも、ならなかったかもしれない。

斬新でおいしい毛血旺つけ麺でつけ麺業界にチャレンジしたいなら、

他人の店で試すのではなく、自分で店を出してからにしなさい。…泣くの?」

 

「…泣きません」

 

自分の才能を発揮したうえで、

完膚なきまでに叩きのめされた汐見。

 

意地を張るが声が震える。

 

「汐見、あなたがそんなヘコんだ顔するの初めて見るけど…。

なんだか…、心の底からスカッとするわねえ!」

 

心から気持ちいいと言わんばかりの笑顔で帰っていく芹沢。

 

悔しくてぐうの音も出ない汐見は、黙って芹沢の後を追った。

 

その日、夏川たちに連れて行ってもらったラーメン屋で、

汐見は泣きながらラーメンをすすった。

 

一方、汐見の母・ようこは、

亮二との会食中に不穏な予言をしていた。

 

「ゆとりはいずれわたしのもとに帰ってくるわよ」

 

「ええ?」

 

「ラーメンなんてものの本質が、

いかに底が浅いかわかれば、すぐにね」

 

ようこの予言は当たるのか。

 

一方、新作の試作中の芹沢に、

退社の連絡をしに河上がやってきた。

 

今日のことを反芻しながら、芹沢がつぶやく。

 

「あの子を見ているとなぜイラっとくるのか、

理由がわかったような気がするわ」

 

「理由ですか?」

 

「ただおいしいものを作ればいい…、

そう信じてた昔の自分を思い出して、

うらやましくなっちゃうからよ。きっと」

 

芹沢の真剣なまなざしの先に、

新しいラーメンが生まれる。

 

芹沢の夢はまだ途上にあるのだ。

 

『行列の女神~らーめん才遊記~』第3杯目の感想

今回は二転三転するバトルの展開に

目が離せませんでした!

 

「おいしいは主観」「客は情報を食べる」という

芹沢の哲学がさく裂し、アッと言わされる回でした。

 

汐見の持つ天才的な味覚と料理の才能がアダになる、

皮肉な展開でした。

 

これも汐見の成長に大きくつながっていく

重要な転換点になるのかもしれません。

 

芹沢の持つ「フードバトルは注目を集めやすいが客は保守的である」

という冷静さと、それでも味の追求をやめられない情熱には、

年月の厚みが感じられます。

 

料理の知識とコンサルティングの技術が合わさったとき、

どんなラーメン屋が出来上がるのか…。

 

来週も楽しみです♪

 

『行列の女神~らーめん才遊記~』第3杯目のラーメン協力店

☆らーめん渡邊

 

〒111-0032 東京都台東区浅草1丁目33−7 RAYビル浅草1階

「つけ麺あんざい」の撮影に使われたお店です♪

 

実際は濃厚ですが

しつこくない鶏白湯ラーメンが

看板メニューのようですね!

 

書いているだけでよだれが…。

 

☆麺屋 雷神

 

〒171-0052 東京都豊島区南長崎1丁目17−17

「金獅子亭」で撮影に使われたお店です♪

 

実際は替え玉無料の家系ラーメン!

 

☆麺屋 龍神

 

〒174-0072 東京都板橋区南常盤台1丁目27−4

「つけめんグルテンハウス」の

撮影に使われたお店です♪

 

昭和30年代をテーマにした落ち着いた雰囲気で、

月替わりの限定ラーメンが登場します!

 

☆ラーメン 点心

 

〒170-0011 東京都豊島区池袋本町3-25-11

須田が自分のラーメン道の原点だと言って紹介し、

最後に汐見が泣きながらラーメンをすすっていたお店です♪

 

シンプルで飽きのこない親しみやすそうなラーメンでしたね!

 

『行列の女神~らーめん才遊記~』第4杯目の予告

上から目線の言動が災いし、

クライアントから担当替えを要求された須田は、

「うちの社員として失格じゃないの須田!!」と

芹沢から長い説教を食らうことに。

 

そんな中、須田はゆとりを誘い

『とび屋』というアゴダシで有名なラーメン店へ。

 

こだわりの味を堪能していた2人だったが、

突然店主の飛田(芹澤興人)と青年(堀井新太)の

口論がきっかけで、汐見が勝手に

青年が出したいというラーメン屋の

コンサルティングを引き受けてしまう。

 

青年の名は相川鉄也。

 

25歳の若者で、一軒のラーメン屋から

年商50億まで上り詰めた男性の特集を

テレビで見て以来、“ラーメンドリーム”を

目指しているという。

 

だが開業資金はなんと50万円弱…

 

さすがにこの資金で依頼を受けるのは

無理かと思われたが、

話を聞いた芹沢は苦笑しつつも依頼を許可。

 

ただしメインは須田が担当し、

ゆとりはサポートするよう命じる。

 

腑に落ちないながらも、須田はゆとり、

相川と不動産屋で物件を探し始めるが、

どう見積もっても予算オーバー。

 

年齢や経歴から考えると融資も見込めずもはや八方ふさがりに…。

 

着手金を返金し依頼を断ろうとする須田だったが、

芹沢のある意外な提案でラーメン店開業に希望が見え始める。

 

しかし、相川には大きな問題があった…。

 

実はラーメンの作り方を全く知らない完全な素人だったのだ。

 

芹沢は、須田とゆとりにラーメンの作り方を

レクチャーするよう指示。

 

早速新たなメニュー作りに取り掛かるが、

そこでも須田の悪い癖が出てしまう……。

 

「軽々しくラーメン屋を

やりたいなんていうやつは嫌いなんだ」

 

3人の力を合わせて、

無事開店にこぎつけることはできるのか?

 

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